こんにちは、手品店長です。
新人登録販売者向けコンテンツ「とりあえずこれ出しとけ」略してとりこれ。前回の風邪薬編はご覧いただいたでしょうか。まだの方は下記より是非ご覧ください。
今回は鼻炎薬編です。春の花粉症に限らず、実は年中売れる鼻炎薬。その選び方とポイントについて解説していきます。
鼻炎薬の復習
内服用鼻炎薬に配合される成分は大きく分けて4種類です。
アドレナリン作動成分
主に血管を収縮させて鼻づまりを解消する目的で配合されています。内服にも点鼻にも入りますが、点鼻の場合は使いすぎると逆に鼻づまりを起こしやすくすることがあります。高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある方は使用できません。
代表的な成分
- ナファゾリン塩酸塩
- 塩酸プソイドエフェドリン
- フェニレフリン塩酸塩 etc…
第1世代抗ヒスタミン成分
いわゆる眠くなるお薬です。眠気、口渇ともに強く出ますが、比較的早く強い効果を発揮します。
第2世代抗ヒスタミン成分と違い、症状が出てからでも効くのが最大の長所。急性にはこちらを選択します。
代表的な成分
- ジフェンヒドラミン塩酸塩
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- クレマスチンフマル酸塩 etc…
第2世代抗ヒスタミン成分
第1世代抗ヒスタミン成分に比べて、眠気や口渇などの不快な副作用が圧倒的に少ないのが特徴です。
基本的には症状が出始める前、花粉が飛び始める前から服用するのが前提。症状が重たくなってからは効かないと思って良いです。
代表的な成分
- フェキソフェナジン塩酸塩
- エピナスチン塩酸塩
- セチリジン塩酸塩
抗コリン成分
鼻水を止める成分として、第1世代抗ヒスタミン成分と合わせて配合されることが多いです。
副作用に特別な注意が必要で、基礎疾患がある方は飲めないお薬が存在します。お年寄りに販売する際は確認を忘れずに行いましょう。
代表的な成分
- ベラドンナ総アルカロイド
- ヨウ化イソプロパミド
点鼻薬
雑に分けるとすれば「ステロイドか、そうでないか」に分かれます。
ステロイド配合
登録販売者が対応できる範囲ではベクロメタゾン配合のものしか存在しないはずです。
炎症を抑える効果はとても高く持続しますが、使用できる期間が限られることと即効性がないのが難点。
第1類のフルナーゼもありますが、こちらは薬剤師対応です。
非ステロイド
ナファゾリンなどのアドレナリン作動成分や、ジフェンヒドラミンを始めとする抗ヒスタミン成分配合の点鼻薬です。特筆すべきは即効性で、特にナファゾリンは鼻づまりに優れた即効性を発揮します。
ただし、使いすぎると逆に鼻詰まりが起きやすくなるなど、連用に注意が必要な点はステロイドと同様です。
内服と点鼻の併用
基本的に内服と点鼻薬は併用しても良いとされています。注意すべき組み合わせなども特になく、程度に応じて選択すれば良いでしょう。
例えば、内服で鼻水は止まったけど鼻づまりが良くならない場合には、点鼻薬の併用で改善される可能性が高いです。
とりあえずこれ出しとけ 内服薬
今すぐ何とかして!今辛いときは 新コンタック600+
https://contac.jp/products/con_600plus.html
眠くなる系鼻炎薬の処方はほぼこれです。
似たようなお薬にはパブロン鼻炎カプセル、ベンザ鼻炎薬αが存在します。ベンザ鼻炎薬αにはトラネキサム酸が入っていますので、喉も痛い方にオススメすると良いでしょう。
また、各社PBから出ているお薬やいわゆるクニヒロもこの処方がほとんどです。裏面を見て似たようなものから選択すれば良いと思います。
症状が出る前から対策しておきたい時は アレジオン20
https://www.ssp.co.jp/product/all/alesion20/
成分 分量 はたらき エピナスチン塩酸塩 20mg 花粉、ハウスダストなどによる鼻のアレルギー症状をおさえます。
第2世代抗ヒスタミン成分も色々なものが出ましたが、1日1回で済むのが大きな利点です。違う成分ですが1日1回で済むお薬には他にクラリチンが存在します。
寝る前に飲めば翌朝のモーニングアタックを軽減…するらしいのですが、私は軽減された試しがありません。
前述しましたが、比較的症状の軽い初期、または症状の出る前から服用しなければ効果が薄いことは伝えておきましょう。眠気は少ないですが、服用後の乗り物の運転操作はしてはいけないこととなっています。
1日2回だけど一番眠くなりにくい アレグラ
https://www.allegra.jp/feature.html
フェキソフェナジン塩酸塩 120mg(1日量:2錠中)
1日2回、しかもできるだけ決まった時間に飲まなければ効き目が薄いというピーキーなお薬ですが、市販されている鼻炎薬の中で最も眠気が少ないです。
してはいけないことの中に機械の運転操作がないことからも、眠気の少なさは実証されています。
とりあえずこれ出しとけ 点鼻薬
今すぐに鼻呼吸をしないと死んでしまいます ナザール「スプレー」ポンプ
https://search.sato-seiyaku.co.jp/pub/product/2176/
- ナファゾリン塩酸塩50mg
- クロルフェニラミンマレイン酸塩500mg
- ベンザルコニウム塩化物10mg
私は点鼻薬を出す時はこれしか出したことがありません。すぐに効くからです。
各社PBもナファゾリン配合のものがあると思いますので、比べてみて安価なほうで良いでしょう。
どうしてもステロイドが良いときは…
前述したように、登録販売者が扱えるステロイド配合の鼻炎薬は、ベクロメタゾンのみです。
「アンテドラッグステロイド配合」と書いてあるものの中から適当に選べば良いと思いますが、高価な割に効き目は早くありません。
参考商品
ナザールαAR 0.1%
内服用鼻炎薬はスイッチOTCが多く、特にアレグラは処方されやすいので知っている方も多いです。
1週間~2週間程度の服用ならOTCで良いと思いますが、1ヶ月以上の長期にわたる場合は処方してもらったほうが遥かに安価です。
お客様が必要としているからと言って、べらぼうに高い値段で鼻炎薬を売りつける登録販売者にはならないようにしましょう。大容量パックの値段は頭おかしいですからね。絶対に耳鼻科に行ったほうが良いです。
もしあなたが花粉症や鼻炎持ちであれば、自分が使ってみて一番良かったものをオススメしてください。それが一番お客様に寄り添うということだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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