こんにちは、手品店長です。
熱狂的なファンがいることでお馴染みの咳止め編、やっていきましょう。いつも通り成分のおさらいからです。
SNS、ニュースの影響で市販薬ODをする人が増えています。咳止めは影響する成分を多く含むため、ODに使用されやすい医薬品です。
当ブログでは市販薬、処方薬問わずODは推奨しません。本当に必要な人に行き届かなくなりますのでやめましょう。辛いときはXやお問い合わせフォームから連絡をください。
咳止めの復習
代表的な鎮咳成分
代表的な鎮咳成分は中枢性鎮咳成分、気管支拡張成分、キサンチン系の3種類です。
中枢性鎮咳成分
- コデインリン酸塩水和物
- ジヒドロコデインリン酸塩
- ノスカピン
- デキストロメトルファンetc…
OTCで見かけるのはこのあたりです。
中枢性の鎮咳成分はさらに麻薬性と非麻薬性が存在しますが、「コデイン」と付くものは全て麻薬性と覚えておけば良いです。
コデインを含むものは依存性があるため、濫用の恐れのある医薬品に指定されています。
12歳未満の服用はできません。お子様に使用するときは販売時の確認を忘れずに行いましょう。
気管支拡張成分
- メチルエフェドリン塩酸塩
- トリメトキノール塩酸塩
- メトキシフェナミン塩酸塩
- マオウet…
上記のアドレナリン作動成分は、交感神経を刺激し気管支を拡張することで、呼吸を楽にして咳を鎮めます。
このうちエフェドリンを含むものとマオウは依存性があることに注意しましょう。麻黄湯もですよ。
キサンチン系
気管支を制御する平滑筋に直接作用することで呼吸を楽にしたり、咳を鎮めます。
てんかんや甲状腺疾患のある方は使用にあたって注意が必要です。受診勧奨してください。
- ジプロフィリン
去痰成分
咳止めと同時に配合されることの多い去痰成分を列挙しておきます。去痰する仕組みが違いますが覚える必要はないです。
- グアイフェネシン
- エチルシステイン
- カルボシステイン
- ブロムヘキシンetc…
抗炎症成分
喉の腫れ、荒れに対応するため、抗炎症成分が配合されている場合があります。喉の痛みを伴う咳の場合はこちらが配合されたものを選ぶと良いでしょう。
また、アレルギー性の炎症を見越してクロルフェニラミンマレイン酸塩などの抗ヒスタミン成分が配合されている場合があります。
- トラネキサム酸
- グリチルリチン酸二カリウム
- クロルフェニラミンマレイン酸塩etc…
何でも良いからよく効くやつ ブロン錠/ブロン液エース
https://www.ssp.co.jp/product/all/brt/
ジヒドロコデインリン酸塩 30mg 延髄にあるせきの中枢に作用し、せきの発生をおさえます。 dl-メチルエフェドリン塩酸塩 50mg 気管支筋の緊張を和らげ、せきをしずめ、たんの排出を促します。 クロルフェニラミンマレイン酸塩 8mg アレルギー性のせきをしずめます。 無水カフェイン 90mg 他の成分の働きをたすけます。
ブロンで遊ぶ人が多いのはコデインとエフェドリンを両方含むからです。販売の際は各社定められたルールを厳格に守りましょう。
咳止めに関していえば、基本的にはこれを出しておけば良いと思います。各社PBもおおむね似たような処方でしょう。
ブロン液は去痰成分が入っています。痰が絡む場合はこちらを選択。ただし測って飲む必要があるので面倒なのと、クロルフェニラミンが多いため眠気の副作用に注意してください。
https://www.ssp.co.jp/product/all/bra/
ジヒドロコデインリン酸塩 30mg 延髄にあるせきの中枢に作用し、せきの発生をおさえます。 グアイフェネシン 170mg 気道粘膜の分泌機能をたかめ、たんをうすめて排出をうながします。 クロルフェニラミンマレイン酸塩 12mg アレルギー性のせきをしずめます。 無水カフェイン 62mg 他の成分の働きをたすけます。
どちらも濫用の恐れのある医薬品に指定されています。販売の際は購入者の情報確認を徹底してください。
濫用が疑われる場合は販売をお断りし、受診勧奨するなど適切な対応をお願いします。
麻薬性鎮咳成分を含まないブロン ブロン液L
似たような商品にブロン液Lがあります。こちらはデキストロメトルファンが主成分です。8歳から飲むことができます。
https://www.ssp.co.jp/product/all/brl/
成分 分量 はたらき デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 60mg 延髄にあるせきの中枢に作用し、せきの発生をおさえます。 グアイフェネシン 170mg 気道粘膜の分泌機能をたかめ、たんをうすめて排出をうながします。 クロルフェニラミンマレイン酸塩 12mg アレルギー性のせきをしずめます。 無水カフェイン 62mg 他の成分の働きをたすけます。
喉の痛みをともなう咳 ベンザブロックせき止め錠
https://benza.jp/benzaseries/sekidome/
鎮咳成分 ジヒドロコデインリン酸塩 30mg 気管支拡張成分 dl-メチルエフェドリン塩酸塩 75mg 鎮咳成分 ノスカピン 60mg 去たん成分 ブロムヘキシン塩酸塩 12mg 抗炎症成分 トラネキサム酸 420mg
トラネキサム酸入りでのどの痛みにも対応できます。その他一通り必要な咳止めは入っていますので、ブロンかこれの二択で出せばほとんどの症状に対応できます。こちらも12歳未満は飲めません。
液剤も存在します。そちらはノスカピンを抜いてセネガが入っています。痰が気になる場合は液剤の選択もありだと思います。一応液剤のほうが速く効くという利点もありますので、要望に合わせて選んでください。
https://benza.jp/benzaseries/sekidome-eki/
鎮咳成分 ジヒドロコデインリン酸塩 20mg 気管支拡張成分 dl-メチルエフェドリン塩酸塩 50mg 去たん成分 グアイフェネシン 200mg セネガ流エキス 0.4mL(セネガ400mgより抽出) 抗炎症成分 トラネキサム酸 280mg
非麻薬性でよく効くやつ メジコンせき止め錠Pro
https://www.shionogi-hc.co.jp/medicon.html
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 90mg せきをしずめる
麻薬性鎮咳成分はちょっと…と言われたらこちらを出してあげてください。そんな人いるかどうか知りませんが。
風邪ひいたと言って病院に行くとよく出るやつです。去痰成分や抗炎症成分は入っていませんので、症状が複合的な場合は他のお薬を選びましょう。子供には使用できません。
メジコンも遊ばれるようです。ブロンやトニンじゃないからと油断せずに、よく確認して販売しましょう。
喘息っぽいとき アストフィリンS
便宜上喘息の言葉を使いましたが、OTCで喘息に対応できる医薬品はありません。
OTCで対応できるのは喘鳴です。ぜーぜー、ひゅーひゅーと音がする咳に使用することができます。
これらの症状の場合は気管支を広げる成分が主です。メチルエフェドリンやジプロフィリンなどの配合されたものを選択しましょう。
ジプロフィリン・・・225mg収縮した気管支を広げて、「喘鳴をともなうせき」をしずめ、「たん」を
出しやすくします。dl-メチルエフェドリン塩酸塩・・・18.75mg収縮した気管支を広げて、「喘鳴をともなうせき」をしずめ、「たん」を
出しやすくします。ノスカピン・・・30mg延髄にあるせきの中枢に働き、「せき」の発生をおさえます。
ジフェンヒドラミン塩酸塩・・・45mgアレルギー性の「喘鳴をともなうせき」をしずめます。
https://www.eisai.jp/products/asthphyllin/asthphyllin
また、1類にミルコデという製品があります。覚えておくと役に立つかもしれません。薬剤師様には忠誠を誓っておきましょう。
子供でも飲める咳止め
小児用って書いてあるやつから好きなの選べ。
風邪薬のときも書きましたが、OTCで子供向けの医薬品は本当に少ないので選択肢がありません。
子供用の中から好きなの出してください。キャラクターで選んで良いです。どうせどれも一緒ですから…。
これとかこれなど。シロップ剤は甘くておいしいので飲みやすいと思います。
錠剤と液剤の選択について
錠剤が苦手、のどが痛くて飲み込めない場合は候補に入れておきましょう。
当たり前ですが液剤のほうが速く効きます。ブロンやアネトンの液剤が遊ばれるのはこういった理由からです。
速く効くということは、速く血流に乗って全身を流れるため全身性の副作用を起こしやすいということです。
いないと思いますがアレルギー持ちで咳止めを買いに来るような人には注意してください。
細かな成分は違いますが、主成分は同じです。効き目に差はないと思って良いので、質問があった際は飲みやすさと効きの速さの話だけしてあげてください。
咳止めについてはとにかく濫用の恐れのある医薬品の取り扱いに注意してください。ブロン、トニン、アネトンは3種の神器と呼ばれるほど濫用されやすく、頻回購入には注意が必要です。
特に外国人のお客様が多い地域では注意してください。日本語がわからないフリをして購入しようとしますので、責任者との連携ができるようにしておきましょう。
子供向けの医薬品については、年齢を確認して飲めるものを出せば良いですが、基本的には受診勧奨してください。
本当に子供が大事なら病院に連れていくのが親の責任です。ドラッグストアで何とかしようなんて考えたらダメです。
以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。